2017/03/29
「シューケアアドバイザー講習会その2 ハイシャイン(鏡面磨き)編」体験レポート byお手入れビギナー西村 withよしだ店長|お手入れスタイル

皆さん こんにちは!
お手入れビギナーの西村と申します!
と、店長のよしだです!
それでは前回に続き、「ハッピーバリューコム」の店長"よしだ"さんと一緒に参加して来た「シューケアアドバイザー講習会」の様子をレポートいたします!
3時限目 ハイシャイン(鏡面磨き) 実演
靴磨きのプロによるハイシャイン(鏡面磨き)の実演です。
「ハイシャイン」とは、その名の通り鏡のようにピカピカに靴を磨き上げる、普段よりワンランク上の靴磨き方法の事です。
ここでは「すでにハイシャインがされている靴」の状態から始まりました。
ですので、古いハイシャインのワックスや靴クリームを落とす必要があります。
まずは馬毛ブラシで軽くブラッシングして汚れを落とします。
汚れを落とすのはもちろんですが、ブラシの摩擦の熱でワックスを落としやすくする効果もあります。
続いて、古いワックスを落としていきます。
ここで使うのはなんとハイシャイン用のワックスです!
会場中から軽いどよめきが起こります。ざわ・・・ざわ・・・
しかし先生曰く、ワックスは油分なので、油分で油分を落とす事ができるという理にかなった方法だそうです。
まさにワックスを持ってワックスを制す!
これは教わらないとわからない技術ですね〜
やり方としては、
ハイシャイン用のワックス「サフィールノワール ビーズワックスポリッシュ」のニュートラル(無色)のものをティッシュに取って・・・
軽く、くるくると円を描くように靴を拭いていきます。
すると・・・ほら!黒いワックスがこんなに取れました!
再び会場中から軽いどよめきが起こります。
ちなみに、ティッシュは目が粗いため、ワックス落としに向いています。
逆にお手入れクロスで落とそうとすると、クロスは目が細かいので、なかなか落ちないそうです。
ティッシュは汚れたらすぐに捨てられるし便利ですね!
ちなみに「ビーズワックスポリッシュ」の代わりに、靴用クリームの「サフィールノワール クレム1925」のニュートラル(無色)のものを使っても、きれいに取れます。
クリームの方が伸びがいいので、お手入れ初心者は使いやすいですね!
先生、いい笑顔!
「ビーズワックスポリッシュ」や「クレム1925」でワックスを落とした後に、汚れ落とし「サフィール レノマットリムーバー」をクロスに取って、軽く靴全体の汚れを拭きます。
「レノマットリムーバー」は強力な汚れ落としなので、強くこすりすぎてしまうと革によくありません。
あくまで軽く優しく拭いてあげます。
続いて、靴クリーム「サフィールノワール クレム1925」を塗っていきます。
靴が黒いのでカラーは「ブラック」を使います。
小さいので見にくいですが右手にはクリーム塗布用の「サフィール アプライブラシ」が握られています。
お米粒2・3粒ほどのクリームをブラシに取って・・・
「クレム1925」のフタの裏などでクリームをブラシになじませます。
アプライブラシでクリームを塗り広げていきます。
コツはクリームを厚塗りしすぎると逆にツヤが出なくなるので薄くまんべんなく塗り広げる事です!
アプライブラシを使わずに、いきなりクロスでクリームを塗るとクリームの量が多くなってしまうため、通気性も悪くなりツヤも出ないそうです。
まずはアプライブラシを使うのがコツですね!
続いて豚毛ブラシで、ガシガシとクリームを靴に塗り込んでいきます。
豚毛は毛のコシが強いのでクリームを塗り込むのに向いてます。
かなり力を入れてかまいません。
手早いストロークでサッサッサッサッという感じでブラシをかけます。
よく「そんなに力を入れて靴が傷つきませんか?」と聞かれるそうですが、先生曰く「豚毛のブラシなら大丈夫です」との事です。
ブラシをかける事によって、摩擦の熱でワックスが溶けて輝きが出るので、しっかりとブラッシングします。
クロスを使って靴磨きをしていきます。
まずは、「ハイシャインポリッシュクロス」を指に巻きつけ水を数滴含ませます。
これは、「クロスにクリームが浸透しないようにするため」との事です。
靴クリーム「クレム1925」をクロスにちょっとだけつけます。
力を入れて押し込むように、クロスで靴を磨いていきます。
短いストロークで円を描くように磨くと良いでしょう。
水を一滴指に取って靴に垂らして・・・
またクロスで磨いていきます。
今度は力を入れずに磨きます!
力を入れ過ぎるとせっかく塗ったクリームが取れてしまいます。
水を一滴垂らして磨く事によってさらに輝きが出ます。
「クレム1925」は油性のクリームなので、水を表面で弾き革に浸透させません。
油性クリームならでは靴磨き法と言えます。
クリームの靴磨きでもハイシャイン手前までの輝きを出せます。
これからいよいよハイシャインのワックスでの靴磨きが始まりますが、
その前に「なぜハイシャインで靴が光るのか?」という理屈を学びます。
要約すると、靴には細かい凸凹があるので光が乱反射してしまいます。
この状態だと靴はくすんで見えます。
この凹凸をワックスで埋めてツルツルにすると光が正反射し、靴が輝いて見えるのです。
それでは下準備を終えましたのでいよいよハイシャインです。
まずはハイシャイン用のワックス「ビーズワックスポリッシュ」を指に取ります。
指に取ると、指の熱でワックスが溶けて靴に塗りやすいです。
そのまま指で靴にワックスを塗っていきます。
ここでしっかりとワックスを塗らないと、後で磨いた時に、「光っている所」と「光ってない所」の差が出てしまいます。
ワックスの塗り方のコツを教えてもらいました。
まずこれは悪い例です。
赤いところがワックスを塗ったところですが、
このようにきっちりつま先部分だけにワックスを塗って光らせると、不自然な光り方で逆に格好悪くなってしまうそうです。
こちらが良い例です。
このように靴の端っこの硬いところを縁取るようにワックスを塗って、境目を馴染ませると自然なハイシャインになります。
つま先だけでなく、横からかかとの硬い部分にかけて塗っても大丈夫です。
「ハイシャインのワックスは靴の通気性を損ねる」と言いますが、このような硬い部分なら元々通気性がないので、ハイシャインしても問題ありません。
ワックスをしっかりと塗ったら、指にクロスを巻きつけます。
この時、クロスの面は、まだ汚れてない新しい面にします。
クロスに「ビーズワックスポリッシュ」を少量とり、
指に水を1滴つけて・・・
靴のつま先に水を1滴ポトっと落とし、クロスで磨いていきます!
ここでのコツは「磨く時に力を入れない」という事です。
力を入れてしまうと、せっかく塗ったワックスが剥がれてしまいます。
「力を入れずに手早く円を描くように」水でワックスを伸ばしていくイメージで磨いていきます。
一通り磨いたら、再び指でワックスを塗ります。
今度は力を入れずに薄くうすーく塗ります。
力を入れると一層目のワックスが剥がれてしまいます。
再び、水を1滴靴に落としてクロスで磨いていきます。
この「ワックスを塗る▶︎クロスで磨く」を何度も繰り返す事によって、ワックスの層が厚くなりどんどん輝きが増していきます。
だいたい3〜4回繰り返すと良いでしょう。
仕上げに、軽く馬毛のブラシをかけます。
ハイシャイン部分とハイシャインされていない部分の境目をぼかして自然に仕上げる効果があります。
馬毛ブラシは、毛が柔らかいので仕上げに向いています。
最後に「ハイシャイングローブ」に水を1滴つけて、仕上げ磨きをします。
先生の手のブレ具合からわかるように、かなり動きが早いです。
「ハイシャイングローブ」は仕上げ磨き用のクロスですが、クロスの摩擦によって最後まで溶け残っているワックスを溶かし、表面をさらに輝かせる事ができます。
そしてこれが完成形です!
いやはや見事な光沢ですね!
それでいて、ハイシャイン部分が周りとも自然になじんでいます!
さすが先生です!
4時限目 ハイシャイン(鏡面磨き) 実践
先生のお手本を受けていよいよ実践です!
前回のブログ(レポートその1 キズ補修編)で、補修をした靴をそのままハイシャインしますので、汚れ落としなどの下準備が終わっています。
汚れ落としの詳しい方法は、前回のブログか、上記の先生のお手本をご参照ください。
クリームを塗る手順から始めます。
靴用クリーム「サフィールノワール クレム1925」を靴に塗っていきます。
まずは米粒2・3粒のクリームを「アプライブラシ」に取って、フタの裏でブラシになじませていきます。
▶︎ 当店取扱いのアプライブラシはこちらから
クリームをガシガシと靴全体に塗り込んでいきます。
力を入れてしっかりと塗り込むイメージです。
ただ、厚塗りしてしまうと逆に光らなくなるので、薄く塗り広げるのがコツです。
全体にクリームを塗ってみました!
まだムラムラなので光ってませんね〜〜
ここで豚毛ブラシの登場です!
ガシガシと力を入れてクリームを塗り込んでいきます!
豚毛なら力を入れても傷つかないので恐れる必要はありません!
ブラシの摩擦の熱でクリームを溶かして伸びやすくする役割もあります。
ブラッシングしてみました〜
お?つま先にすこしツヤが出てきましたね!
続いて、靴磨き用の布「ハイシャインポリッシュクロス」を指に巻きつけて少しだけ水で濡らします。
「クレム1925」を少しだけ取って・・・
靴全体を磨きます!
スピーディーかつ力を入れてクリームを塗り込むイメージですね!
時々、水を1滴靴に垂らしてまた磨きます!
クロスで磨いた後です。
先生に見せると「だいぶツヤが出ましたね〜 ただしもっと磨けばもっと光りますよ!」との事でさらに磨いてみましたが、今の私の靴磨き技術ではこれが限界でした・・・
お手入れビギナー脱却への道は遠い・・・
さて、いよいよこれからがハイシャインの本番です。
ハイシャイン用ワックスの「サフィールノワール ビーズワックスポリッシュ」を指にとります。
こちらのワックスは当店では「ハイシャインプレミアムセット」に含まれております。
そのまま指でワックスを靴に塗っていきます。
つま先全体にきっちりと塗るのではなく、
こんな感じで、ワックスを塗った部分と塗ってない部分が自然につながるように塗っていきます。
クロスを指に巻きつけて、ハンドラップから水を1滴だけ出してクロスを湿らせます。
この時、クロスは新品を使うか、まだ使ってないきれいな部分を使います。
「ビーズワックスポリッシュ」をクロスにほんの少しだけとって・・・
つま先に水を1滴だけポトっと落とします。
そして、水でワックスを伸ばしていくイメージでクロスで磨きます!
この時の注意点は力を入れない事です!
力を入れてしまうとせっかく塗ったワックスが剥がれてしまいます。
「力を入れず円を描くように手早く」磨くのがコツです!
水が乾くまで磨いたら、またワックスを指で塗って・・・
水を1滴垂らして・・・
また磨きます!
「ワックスを塗る▶︎水で磨く」を3〜4回繰り返す事によって、ワックスの層が厚くなって輝きが増すので、頑張って磨きます!
仕上げに馬毛ブラシでハイシャイン部分とそれ以外の部分の境目をぼかします。
最後に「ハイシャイングローブ」に水を一滴つけて、仕上げ磨きをします。
お手入れビギナー西村頑張っております!
見よ!この素早い手の動き!
(なぜか靴を持つ左手の方がブレてますが・・・)
よしだ店長も頑張っております!
グローブでひたすら磨いていって・・・完成です!
画像で比較してみると、
まずこれが、お手入れ前です。
くすんでいてキズがありますね。
続いてこれが、キズ補修後です。
キズは消えましたが、キズ部分は光沢がなくて周りと馴染んでません。
これがハイシャイン後です!
キズ部分は跡形もなくなくなりました!
ハイシャイン部分は、ツヤは出ましたがよく見るとちょっと何本か筋が見えますね。
先生に聞いてみたところ、これは仕上げ時に馬毛ブラシでついてしまった筋だそうです。
その後のハイシャイングローブで、もっとしっかり磨いていればさらにツヤが出ていたとの事。
お手入れ道は奥が深いですね〜
ハイシャインの工程をまとめると
大まかなホコリを落とす ▶︎ 馬毛ブラシ
古いハイシャインワックスを落とす ▶︎ ビーズワックスポリッシュ・ティッシュ
(ハイシャインされていない靴なら省略可)
汚れ落とし ▶︎ サフィール レノマットリムーバー または ユニバーサルローション
靴クリームを塗る ▶︎ サフィールノワール クレム1925 ・ アプライブラシ
クリームを塗り込む ▶︎ 豚毛ブラシ
クロスで磨く ▶︎ ハイシャインポリッシュクロス・水
指でワックスを塗る ▶︎ サフィールノワール ビーズワックスポリッシュ
クロスで磨く ▶︎ ハイシャインポリッシュクロス・水
(ワックスを塗ってクロスで磨くを3〜4回繰り返す)
ブラシをかける ▶︎ 馬毛ブラシ
仕上げ磨き ▶︎ ハイシャイングローブ
という順番でした。
いかがでしたか?
合計5時間半にも及ぶ講習会の内容をご紹介しましたが、学ぶべきものがたくさんありました!
私が講習会で一番印象に残ったのは、実は「先生のブラシさばき」です。
これ、誇張ではなく本当にこれぐらいの速さです。
サッサッサッサという感じで無駄がなくスピーディーで職人らしくて憧れますね〜
早くあのブラシさばきに近づきたいものです!
(左側の先生の無限ねりねりは、補修クリームを混ぜている様子です)
講習会が終わって渋谷の街に出たらもうすっかり夜ですね・・・
お腹も空いたし・・・
念願の油そばをいただきます。
「私の靴もお手入れしてほしい」なんて要望もお待ちしてますよ!
それではまた次回のお手入れレポートでお会いしましょう〜
「お手入れレポート byお手入れビギナー西村」 の記事一覧はこちらから
【当店のハイシャインおすすめアイテムはこちら】

【Le Beau 馬毛ブラシ(ブラウン)】
この馬毛ブラシの特徴は何と言っても、毛の柔らかさにあります。これならば、爬虫類やエナメル、デリケートなスエードなどのブラッシングも安心ですしバッグや衣類のブラッシングにも使えそうな質感です。また、毛を固定する一つの穴(木台)にできるだけ多く毛を密集させることで、抜けづらく工夫してあります。
【Le Beau 馬毛ブラシ(ブラウン)】

ケアクロス
革靴のお手入れに必須のお手入れ用クロス
表面の毛が短かめなので、お手入れにお使いいただく場合にも、毛が付着しにくいです。
サイズ30cm×18cm
端はかわいくギザギザにパイピングカットしてあります。
コロニルのケアクロスは34cm×34cmなので、すこーし小ぶりですがその分お安くしました。
洗うことはできませんが、両面思う存分お使い下さい。
ケアクロス

【サフィールユニバーサルローション】
あのエルメスのケア用品をも手掛けるというフランスの高級革ケアブランド【サフィール】-SAPHIR-
人気のカラー補修クリームをさらに伸びやかに塗るために、混ぜて使えるマイルドローションが新登場!
【サフィールユニバーサルローション】

サフィールノワール クレム1925
油性なのに乳化性クリーム以上に栄養を与えられ、光るクリーム
業界のプロをも含み、中毒患者ともいえるファンを生み続ける「クレム1925」
水分を含まず、ワックスと油分・溶剤のみで作られている油性のクリームです。
「光沢を出す」ことができるワックスに、ボディーバターなどのスキンケア用品でおなじみの「シアバター」を配合することで、「油性なのに浸透する」という、まるで乳化性クリームのようなしっとり感を革に与えることが可能になりました。
さらに、染料を含んでいますので、カラーのものはしっかり色が内部に浸透します。
サフィールノワール クレム1925

Le Beau 豚毛ブラシ(白)
重厚な革やクリームの仕上げブラッシングに。
ブラシの役割の中で、「払う」という部分にばかり目が行ってがちですが、「クリームなどを塗りこむ」というもうひとつの役割があります。
ある程度コシの強い毛で埋め込むように塗ることで革の表面の小さな穴にクリームがよりしっかり浸透し、定着するのです。
たとえばクロスでクリームを塗った場合でも、余分なクリームをささっとはらいつつ塗ったクリームをしっかり定着させ、同時に革のツヤを出す・・・。
そのために「豚毛ブラシはとっても大事な役割を負ってくれる」のです。
【Le Beau 豚毛ブラシ(白)】

ハイシャインセット
貴方はハイシャインという言葉、お聞きになったことはありますか?
靴のつま先とかかとの部分を、顔が写りこむくらいにピカピカに磨くお手入れを「ハイシャイン」といいます。
鏡面仕上げとも言いますね。
その楽しさを、ぜひあなたにも実感していただきたく、オリジナルセットを作りました。
ハイシャインセット

サフィールノワール ミラーグロス
ハイシャインをやってみたけどうまくいかなかった。 試してみたいけど難しそうだし時間がかかりそう・・・
そんな貴方にこそおすすめなのがミラーグロスです。
高級天然ワックスを絶妙な割合でふんだんに配合する事により、簡単に、短い時間で、より強く輝かせることができます。
サフィールノワール ミラーグロス

サフィールレノマットリムーバー
私たちがいろいろな汚れを落とすために試してみた中で、革への負担が少なく、汚れをしっかり落としてくれるアイテムとしてご紹介できるローションです。化粧水のようなガラス瓶に入った、お洒落なケアグッズなのですが・・難点がひとつ。 臭いがきついんです。油性のマジックインキのような臭いが漂うので必ず通気しながらお手入れしてくださるなら・・・。なかなかの効果が期待できます。 瓶をよく振って、布にローション状のクリーナーを馴染ませ シミの部分をしっかり拭いて下さい。(まずは目立たない部分で色落ちなどチェック)
サフィールレノマットリムーバー
このページでご案内した内容で是非少しでも早くケアしてあげて下さい。
「私の靴も西村にお手入れしてほしい!」
「こんな靴はどうお手入れすればいいの?」
など、読者の方の質問にもお答えするブログ記事も書きたいと思っています!
ご質問ご要望は下記のお問い合わせフォームよりどうぞ。