2022/06/01
「カビだらけの革カバンを復活させてみました」お手入れレポート byお手入れビギナー西村|お手入れスタイル

皆さん こんにちは!
お手入れビギナーの西村と申します!
私西村は、このサイト「お手入れレシピ」や
革のお手入れ用品のオンラインショップ「ハッピーバリューコム」の
ページ作成のお手伝いをしているWEBスタッフの一人です!
西村かどうかを見分けるポイントは左手の中指にホクロがあるかどうかです!
さて、このコーナーは、
靴のお手入れに関してはビギナーな私西村が、
靴のお手入れ歴16年の大ベテラン
「ハッピーバリューコム」の店長"よしだ"さんに
ケア方法を教わりながら靴のお手入れをしていくというコーナーでございます。
本日のお題はこちら!
さて、大掃除をしていて物置きの奥深くから見つかるものといえば?
古いマンガの本に雑誌、そして・・・
カビだらけの古い革鞄ですよね!
いつだれが使っていたものかそれすらも定かで無いようです。
家の大掃除の際に発掘されました。
カビ汚れとホコリがすさまじく、いままでのお手入れレポートで一番汚い代物です。
革製品は物置きや押入れの奥深くなど通気性の悪い所に保管するとカビが生えやすいので注意が必要ですね!
普通なら即ゴミ箱行きのこのカバンですが、今まで培ったお手入れ技術を駆使してキレイに蘇らせる事ができるだろうか?というのが今回のお手入れレポートのお題です!
例のごとくよしだ店長に相談してみましょう。
「まずは全体の汚れを落としてからハイシャインの手順に入ります。
次に、柔らかいワックスのビーズワックスポリッシュで1層目を作り革の凹凸を埋めましょう。
その後、硬いワックスのミラーグロスで2層目を作るとより上質な艶が出ます。
このページも参考にしてください〜」
「おお!車のワックスがけみたいですね!もちろん靴全体を磨いていいんですよね?」
「いえ。ワックスの塗りっぱなしは革の通気性を損ねてしまいます。
また、シワが寄る部分だとワックスがひび割れて逆に見栄えが悪くなってしまいます。
つま先やかかとなどのシワの寄らない一部分のみにしましょう〜」
「かしこまりました!いつまでもツヤを保つためにはどうすればよいですか?」
「実は今までのお手入れと違って、このハイシャインは一時的なメイクのようなものなんです。
ワックスの塗りっぱなしは革の通気性を損ねるので、使用後はワックスを取り除きましょう。
いざ!という時の靴のおめかしですね〜」
なるほど〜就職の面接の時や、ちょっといいレストランで食事する時とかにいいですね!
それではレッツお手入れしていきましょう!
カビとホコリを拭き取る
とにかく汚すぎてこのままではブラシをかけるのもはばかられるので、まずは汚れを乾拭きします。
私はキッチンペーパーを使いました。
ほら!こんなに汚れてました!
カビやホコリを吸い込まないように屋外で行なう事をおススメします!
1.ブラシをかけて全体の汚れを落とす
千里の道もブラッシングから。
どんな靴でも鞄でもブラッシングは必須です。
まずは、馬毛のブラシでブラッシングして
大まかなホコリや汚れを落としていきます。
2.汚れ落としをする
ここで使うのは、革用の強力な汚れ落とし「サフィールレノマットリムーバー」です。
カビ汚れがすごいので、これくらい強力な汚れ落としを使っても大丈夫です。
レノマットリムーバーをよく振ってからケアクロスにつけて・・・
全体を拭いていきます。
ほら!こんなに汚れが取れました!
が、当のカバンはさほどキレイになった気がしないのが恐ろしいところです。
バッグの内側もカビの匂いがすごいです。
泡状の革用クリーナー「コロニルレザーソープ」を使って・・・
クロスで拭くと、すぐにクロスが汚くなってダメになってしまうので、今回はティッシュを使いました。
レザーソープの泡をティッシュにスプレーして内側を拭いていきます。
3.カラー補修クリームを塗る
軽いカビ汚れでしたら、レノマットリムーバーで拭くだけで落とせる事があります。
しかし今回の鞄のように、革の色そのものが点々と黒く変色している場合は落とせません。
そこで、「カラー補修クリーム」を使って黒く変色した部分を隠す必要があります。
しかし、カラー補修クリームを使う時にはコツがあって、
こんな風に汚れの上に直接塗っても、薄くのばすと透けてしまって上手く色が隠せません。
それもそのはず、カラー補修クリームは「擦れ傷で色が剥げたり」「色落ちしていたり」している部分はすんなりと補修できますが、「汚れ」の部分に直接塗っても上手く色が隠せない場合があるのです。
ですので、紙ヤスリで汚れ部分を削り落としてから・・・
きちんと色を落としてから補修クリームを塗ると・・・
こんな風にキレイに色が乗ります。
ちょっとした黒カビならば部分的に削るだけで良いですが、今回の鞄は全体的にカビがついているので鞄全体を削ることにします。
※紙ヤスリで削る事ができるのは、表面が滑らかなスムース革のみです。エナメル革や爬虫類革などは避けた方がよいと思います。
粗いヤスリで大まかに削ってから、細かいヤスリで仕上げ削りをします。
前回の「講習会レポート 傷補修編」で使ったヤスリの種類は
(目が粗い)120番→400番→1000番→2000番(目が細かい)の4種類です。
もし新しく革削り用にヤスリを買うときは参考にしてみてください。
私は今回は家にたまたまあった紙ヤスリを使いました。
とりあえずカビ汚れがある所を中心に削ってみました〜
この部分にカラー補修クリームを塗っていきます。ちょちょいのちょいやで!
塗ってみました!・・・が、う〜ん塗る前とあまり変わりありません。
あと、色ムラが出てしまってますね。
答えは簡単!削り方が足りなかったようです。
削った状態で残っている傷や色ムラは補修クリームを塗っても残ってしまいます。
どうやら、傷や汚れがなくなるまで、しっかりと革を削る必要があるようです。
しかし革なんて削って大丈夫なのかと思ってよしだ店長に相談してみましたが、
薄い革ならまだしも、ある程度厚みのある革なので削っても大丈夫ですよ〜
との事です!
よし!気合を入れてバリバリ削りましょう!
4.二層目のワックスを塗る
続いて使うのが「サフィールノワール ミラーグロス」です。
硬めのワックスで、栄養効果は無くツヤを出すことに特化した製品となっております。
実は、先ほどの「ビーズワックスポリッシュ」のみでも時間をかけて何度も磨けばハイシャイン(鏡面磨き)は可能です。
しかしこのハイシャインに特化した「ミラーグロス」を二層目に塗ることによって、短時間でより上質のツヤを出すことができるのです。
このようにミラーグロスをつけていきます。
先ほどビーズワックスポリッシュをつけたのと同じ布地の面で構いません。
つま先に二層目のワックスを薄く塗り広げます。
おお!先ほどよりもツヤがでてきました!
しかしここからが本番です。
「さっきから本番本番って何回も言ってるけどいつ本番に入るの?仮の人生を送っているの?」という声が聞こえてきそうですが、次からが本当の本番なのです。
ワックスが乾くまで3分ほど待ちます。
5.水を数滴垂らして磨く
先ほどのハンドラップから水を数滴ポトッと落としましょう。
すると水を弾くこと弾くこと!きれいな水玉になって感動します。
ワックスがしっかり効いている証拠ですね。
そして、ここからがようやくハイシャインの本番なのです!
ワックスがついている布地の面で、水玉を広げながら磨きます!
コツとしては円を描くように「軽く・やさしく・滑らせるように」です!
力を入れてしまうと、せっかく塗ったワックスが剥げて落ちてしまいます。
一通り磨いたらまた「ミラーグロス」を少量取って・・・
薄く塗り広げて1分ほど待って・・・
水を数滴垂らして・・・
磨いて磨いて磨きまくります!!(あくまで力を入れずに・・・)
いでよ!ハイシャイン!!
自分の納得行くツヤになるまで、
「水を垂らす▶︎磨く」を繰り返します。
ランプの魔人を呼び出すがごとくひたすら磨いて・・・完成です!
いかがでしたか?
くすんでいた革靴のつま先がこれでもか!というくらいツヤツヤに生まれ変わりました!
実は、二層目のワックスを塗った時点ではそこまでツヤが出てなかったので、
不安だったのですが、水をつけて磨きだした途端ツヤッツヤになりました!
ツヤツヤになっていくのが楽しいこと楽しいこと!
「どこかに履いていくために靴磨きする」というよりは「ハイシャインという靴磨き自体が楽しい」というお手入れでしたね!
さて、このツヤをいつまでも維持したいところですが、
1日か2日この靴を履いて楽しい時間を過ごした後は次の手順を行わなければいけません。
6.残念ですがハイシャインを落とす
ハイシャインはお化粧のようなものなので、革の通気性を損なうため塗りっぱなしは靴によくありません。
お肌にお化粧をして出かけたあとはメイク落としをしなければならないように、靴もハイシャインのワックスを落とさなければなりません。
使うのは「サフィールレノマットリムーバー」です。
革の汚れやカビを落とす強力なクリーナーなのですがワックス落としにも使えます。
クリームが分離してますのでよく振って・・・
ケアクロスに取ってからよく拭き取ります。
ケアクロスがワックスの色で真っ黒になります。
これでさっぱりしました!
きれいなすっぴん革になりました。
「レノマットリムーバー」は強力な汚れ落としですが、革の栄養分も奪ってしまうので
「サフィールユニバーサルローション」で栄養補給をします。
ケアクロスを使ってつま先に塗り広げて、5分ほど経ったら清潔なケアクロスでからぶきしておきましょう。
お肌で例えたらメイク落とししてから乳液を塗るみたいなイメージですね。
いかがでしたか?まとめると
大まかなホコリを落とす ▶︎ 馬毛ブラシ
汚れ落とし&栄養補給する ▶︎ サフィール ユニバーサルローション
一層目のワックスを塗る ▶︎ サフィール ビーズワックスポリッシュ
二層目のワックスを塗る ▶︎ サフィールノワール ミラーグロス
水をつけて磨く ▶︎ ハイシャインポリッシュクロス・ハンドラップ
ワックスを落とす ▶︎ サフィール レノマットリムーバー
栄養補給する ▶︎ サフィール ユニバーサルローション
という順番でした。
ハイシャインをしてみたい!という場合は、
こちらのハイシャインセットをお試しください。
この記事と同じようなお手入れをしたい場合は、
ご一緒に「サフィールノワール ミラーグロス」もどうぞ。
靴の鏡面磨きが簡単にできる【オリジナル ハイシャインセット】
「私の靴もお手入れしてほしい」なんて要望もお待ちしてますよ!
それではまた次回のお手入れレポートでお会いしましょう〜
「お手入れレポート byお手入れビギナー西村」 の記事一覧はこちらから
【今回のお手入れで使用したアイテムはこちら】

【Le Beau 馬毛ブラシ(ブラウン)】
この馬毛ブラシの特徴は何と言っても、毛の柔らかさにあります。これならば、爬虫類やエナメル、デリケートなスエードなどのブラッシングも安心ですしバッグや衣類のブラッシングにも使えそうな質感です。また、毛を固定する一つの穴(木台)にできるだけ多く毛を密集させることで、抜けづらく工夫してあります。
【Le Beau 馬毛ブラシ(ブラウン)】

ケアクロス
革靴のお手入れに必須のお手入れ用クロス
表面の毛が短かめなので、お手入れにお使いいただく場合にも、毛が付着しにくいです。
サイズ30cm×18cm
端はかわいくギザギザにパイピングカットしてあります。
コロニルのケアクロスは34cm×34cmなので、すこーし小ぶりですがその分お安くしました。
洗うことはできませんが、両面思う存分お使い下さい。
ケアクロス

【サフィールユニバーサルローション】
あのエルメスのケア用品をも手掛けるというフランスの高級革ケアブランド【サフィール】-SAPHIR-
人気のカラー補修クリームをさらに伸びやかに塗るために、混ぜて使えるマイルドローションが新登場!
【サフィールユニバーサルローション】

ハイシャインセット
貴方はハイシャインという言葉、お聞きになったことはありますか?
靴のつま先とかかとの部分を、顔が写りこむくらいにピカピカに磨くお手入れを「ハイシャイン」といいます。
鏡面仕上げとも言いますね。
その楽しさを、ぜひあなたにも実感していただきたく、オリジナルセットを作りました。
ハイシャインセット

サフィールノワール ミラーグロス
ハイシャインをやってみたけどうまくいかなかった。 試してみたいけど難しそうだし時間がかかりそう・・・
そんな貴方にこそおすすめなのがミラーグロスです。
高級天然ワックスを絶妙な割合でふんだんに配合する事により、簡単に、短い時間で、より強く輝かせることができます。
サフィールノワール ミラーグロス

サフィールレノマットリムーバー
私たちがいろいろな汚れを落とすために試してみた中で、革への負担が少なく、汚れをしっかり落としてくれるアイテムとしてご紹介できるローションです。化粧水のようなガラス瓶に入った、お洒落なケアグッズなのですが・・難点がひとつ。 臭いがきついんです。油性のマジックインキのような臭いが漂うので必ず通気しながらお手入れしてくださるなら・・・。なかなかの効果が期待できます。 瓶をよく振って、布にローション状のクリーナーを馴染ませ シミの部分をしっかり拭いて下さい。(まずは目立たない部分で色落ちなどチェック)
サフィールレノマットリムーバー
このページでご案内した内容で是非少しでも早くケアしてあげて下さい。
「私の靴も西村にお手入れしてほしい!」
「こんな靴はどうお手入れすればいいの?」
など、読者の方の質問にもお答えするブログ記事も書きたいと思っています!
ご質問ご要望は下記のお問い合わせフォームよりどうぞ。